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大人も魅了される、絵本作家・きくちちきさんの世界。

子どもが生まれて知った、絵本作家・きくちちきさんの存在。その世界観に魅了されるのは、子どもだけでなく、大人もです。今回は、私的コレクションをご紹介します。

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イキイキとした絵に、親子で一目惚れ。

絵本作家・きくちちきさんを知ったのは、子どもを出産してからのこと。その出会いは、『でんしゃ くるかな?』という一冊でした。

息子が8カ月の頃。書店に並んでいる表紙を見て、私は一目惚れ。独特のゆるさを感じる絵のタッチに惹かれて、家に連れて帰りました。

ストーリーは、子どもと動物たちが、ホームで電車を待つというもの。電車が来るたびに「きたー!」と、カラダいっぱいに喜ぶ姿が微笑ましい絵本です。

家に帰り、さっそく読み聞かせをしたのですが、親がテンション高く読みすぎたせいで、声にびっくりした息子。泣き出してしまい、しばらく本棚の隅に置かれることに……。とても好みの絵だったので、あのときの自分に後悔しつつも、時間が解決してくれるのを待つことになりました(トホホ)。

お取り寄せした月刊絵本の『たいこ どん』と『はしれー』。そして、月刊絵本シリーズからハードカバーとして登場した『でんしゃ くるかな?』。すべて福音館書店。

そんな少し悲しいエピソードを打破してくれたのが、『たいこ どん』という絵本です。

息子が通っている園には、週末に絵本を貸し出してくれるうれしい仕組みがあります。たしか、1歳になる前にお借りしたのが『たいこ どん』でした。読んであげると、息子は大喜び。ページをめくるたびに、「どーん!」と絵を真似て、叩く仕草をする息子が本当にかわいかった!

この絵本は、福音館書店が発行している『こどものとも 0.1.2』シリーズ。契約者に毎月届く仕組みなので、もう手に入らないかも……と不安でしたが、在庫があれば本屋さんで取り寄せられることを知り、さっそく本屋さんへ。

このときすでに、きくちちきさんの作品に魅了されていた私は、取り寄せ可能だった『はしれー』も一緒にオーダーしました。

『こどものとも 0.1.2』シリーズは、10カ月〜2歳向けの子どものために作られているので、言葉の繰り返しが楽しいのが特徴です。きくちちきさんの作品は、子どもと動物たちが織りなす、ちょっとファンタジーな世界が魅力。

今、息子は3歳。この3冊を開く頻度は少なくなりましたが、ときどき読み返すたびに、「子どもの頭の中ってこんな感じなのかも」と、胸が熱くなります。

親と子どもがテーマの、温かな絵本。

きくちちきさんの作品で、個人的に印象深いのは、親と子が題材になっていること。

『とらのこ とらこ』は、そのダイナミックなタッチと、“とらこ”の表情に惹かれて、手に取った瞬間に購入を決めた作品です。

“とらこ”は、親虎の狩りを真似して、えものを狩ろうとたくさんのチャレンジをする子どもの虎。失敗を繰り返しても挑戦を続ける“とらこ”は、いつの間にか少しずつ成長していきます。
その姿が親虎の目線で優しく描かれていて、読み終わると子どもをぎゅっと抱きしめたくなる。そんな絵本です。

この本と出会ったのは、松本市にある本屋「本・中川」さんでした。店主とお話ししていると、なんと移転前の店舗で、この本の原画展を開催されたとのこと!
そのときの様子を聞いているうちに、作品だけでなく、ご本人のお人柄にも惹かれるようになりました。

親子を題材にした絵本にある、なんともいえない愛らしさ。それはきっと、ご自身の子育ての経験が反映されているからなんだろうなと、勝手に思っています。

シリーズ3作品ある『パパのぼり』『パパおふろ』『パパさんぽ』(すべて文溪堂)。くまの親子のストーリーですが、親なら「あるある!」と共感してしまうエピソードに、思わずクスッと笑ってしまいます。

こぐまちゃんに振り回されるパパですが、パパならではのダイナミックな遊びは、子ども心をわしづかみ。息子は、絵本の遊びを再現したいと、何度も何度もおねだりしていました。その姿が、絵本のこぐまちゃんと重なってしまいます。

息子が大きくなったとき、この絵本を読み直したら、私はきっと泣いてしまうと思います。それくらい、絵本タイムを幸せにしてくれた3冊です。

アートとしても好きな絵本。

きくちちきさんの絵本の好きなポイントのひとつに、装丁の美しさがあります。
これは、私が紙媒体に携わってきたからこその、マニアックな目線かもしれません(笑)。

2016年に出版された、『こうまくん』(大日本図書)。

ワイルドなのに、優しさを感じる水彩表現。雨や風など、自然の描写も好きな絵本です。走ることがうれしくて、楽しくてたまらない“こうまくん”を、いつも「頑張れ! 頑張れ!」と応援してしまいます。

2023年に出版された、『ゆきのゆきちゃん』(ミシマ社)。

雪の日に遊びに出かける猫の“ゆきちゃん”。グレーの世界に、イキイキと遊ぶいろいろな動物たち。そのコントラストが美しい一冊です。表紙を眺めるたびに、“ゆきちゃん”と目が合って、ドキッとしちゃいます。

新刊『いるかのこ』は、母と子の愛でした。

つい先日、息子と一緒に本屋さんへ行き、『いるかのこ』(鈴木出版)が刊行されているのを発見。こちらは鈴木出版の月刊絵本をハードカバーにしたものです。もちろん、家に連れて帰りました。

イルカの子どもの“好き”が、どんどん登場するとってもかわいいストーリー。その中に、親が子どもから受け取る無償の愛が詰まっています。
これを読むと、子どもとの何気ない日常が愛おしくなるはずです。

家族みんなで推し活!

以前のロパログでご紹介したデーラくんに続き、我が家では、きくちちきさんの推し活が盛んです。新刊はもちろん、原画展にも積極的に足を運ぶようにしています。

2024年の夏、息子が大好きな絵本『とらのこ とらこ』の原画を観に、岡谷市の「小さな絵本美術館」へ行ってきました。

原画の中に、少し暗いトーンの一枚があるのですが、息子はその原画には近づこうとしませんでした。絵本では平気なのに、原画の迫力に驚いた様子。確かに、原画はまるで生きているかのようで、私も原画の持つ力にびっくりした経験です。

2025年の冬には、「本・中川」さんで開催された『ゆきのゆきちゃん』の原画展へ。和紙に描かれた原画を間近で見ることができて、私は感動しっぱなしでした。

本の購入特典だった直筆サインは、リビングに飾っていつも癒されています。

子育てと密接な絵本。子どものためのものと思っていたけれど、きくちちきさんの作品に出会ってから、大人だって絵本を楽しんでいいんだと再発見しました。心を豊かにしてくれるものに、年齢は関係ありませんね。

この記事を書いた人

エディターU

エディターU

LoPa+の企画、編集、記事制作など、全体のディレクションを担当。イヤイヤ期が終わらない3歳の子どもとの日々に奮闘しながら、信州での子育てと仕事と暮らしを模索中。 「これ、私だけかな?」と思う小さなモヤモヤや気づきを、誰かの一歩につながる言葉にして届けていきたいです。

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