ゆらいでいても、前を向いている。長野県で働き、暮らす女性たちの声。
日々の生活の中で、ふと「これ、私だけ?」と感じてしまうことがあります。暮らしのこと、仕事のこと。長野県のママたちの本音を探ってみました。
保育園のお迎えを終えて、夕飯をつくって、子どもをお風呂に入れて、寝かしつけて。 ようやく静かになった部屋で、ふと「暮らしと仕事に悩んでいるのは、私だけかな」という気持ちがのぼってくることはありませんか?
今がものすごく悪いわけではない。でも、このままでいいのかと聞かれると、すぐには答えられない。この気持ちを抱えたまま、また朝がやってくる……。そんな日々を送っている女性たちの声を、少し丁寧に聞いてみたくなりました。
株式会社さんろくごは、2025年12月から2026年1月にかけて、長野県内で働きながら子育てをする女性75人を対象に、アンケートを実施しました。テーマは、「働くこと」と「暮らすこと」について。回答者のお子さんは、未就学児から小学校低学年が中心に。地域に根ざした、リアルな声をご紹介します。
「ゆらいでいる」のは、あなただけじゃない。

「今のあなたの気持ちに近い考え方は?」という問いに、最も多かったのは「制約はあるけれど、やりがいや成長も大切にしたい」という答えでした。その割合は、36%です。
育児や家庭のこと、時間の制約を抱えながらも、仕事での手応えや、自分自身の成長を手放したくない。そう思っている人が、いちばん多かったのです。
次に声が集まったのは、「今の働き方に迷いがあり、別の選択肢も考えている」(30.7%)。今の環境に違和感はあるけれど、どう動けばいいかわからない。そんな過渡期にいる人も、3割近くいました。
また、「今はペースを落として細く長く続けたい」(17.3%)、「仕事は暮らしのための手段、無理せず割り切りたい」(16.0%)という声も一定数あり、それぞれのスタンスが見えてきます。
正解はひとつではない。そして、その正解も、時期によって変わっていく。この数字は、そのことを静かに教えてくれているようでした。

続いて、仕事と暮らしの両立度を5段階で聞くと、平均は3.09という結果に。
「できている」とも「できていない」とも言い切れない、真ん中よりほんの少し上。多くの人が、そのあたりに立っているのかもしれません。
今の生活は崩れてはいないけれど、余裕があるわけでもない。そんな毎日を過ごすママの姿が、この結果から見えてきます。
モヤモヤの根っこは、どこにある?
「仕事も暮らしも自分らしく楽しむために、いちばん変わってほしい場所は?」と聞くと、61.3%が「職場の環境」と答えました。

この声が表しているのは、個人の努力や家庭内の工夫だけでは、限界があるということ。

そして、両立していて負担に感じることについて聞くと、最も多かったのは「睡眠不足・体力不足」(66.7%)でした。
自分の時間がとれず、慢性的に疲れている状態が続くと、何かを考えたり、選んだりする余力まで奪われていきます。
2番目に多かったのは、「急な休みへの罪悪感」(53.3%)。子どもが熱を出したとき、「また迷惑をかけてしまう」と感じながら職場に連絡する、あの感覚。その小さな緊張や申し訳なさが積み重なると、心の中に、見えない疲れとして残っていくことがあります。
では、何があれば助かるのでしょうか? 実際に、これがあると助かるという声も聞いてみました。
最も多かったのは、「柔軟な時間活用、有給・中抜け・早退への寛容さ」(46.7%)。次いで、「自分を助ける外部サービス、家事代行・送迎サポートなど」(45.3%)、「職場の心理的安全性、お互い様と受け入れ合える雰囲気」(41.3%)が続きました。
求められているのは、必ずしも大きな制度や特別な施策だけではありません。「今ある生活を、もう少しだけ楽にしてくれる何か」が浮き彫りになっています。
正解より、「整理できる場所」がほしい。
「子育てと仕事を両立する中で、事前に知っていたら楽だったかもしれない情報は?」という問いへの答えも、印象的でした。
最も多かったのは「これからの自分の働き方・暮らし方を整理できる方法」(50.7%)。次いで「制限がある中での自分らしい働き方の見つけ方」(46.7%)、「他者がどんな判断をして、何を基準に選択してきたか」(44.0%)と続きます。
「正解を教えてほしい」のではなく、「自分で考えて選ぶための材料がほしい」という気持ちが、表れているように感じました。先に経験した人のリアルな話が心に届くのも、きっとそういうことなのだと思います。
今の暮らし方と働き方にゆらいでいることは、弱さではありません。今のライフステージと正直に向き合いながら、それでも自分らしくいようとしている、その誠実さのあらわれだと感じます。
「わたしだけじゃなかった」と思える瞬間が、誰かの明日を少し軽くしてくれますように。
そんな気持ちを込めて、この調査の結果をお届けします。
※本記事は、株式会社さんろくご実施「働くこと・暮らすことについてのアンケート調査」(N=75、2025年12月〜2026年1月)をもとに構成しています。